ネット不動産フロンティアノート



不動産マーケットの特徴・・ No.6-2

2009年、雑誌の広告費がインターネットの広告費に追い抜かれました。代金を支払うのはスポンサーですから、広告効果の小さい媒体から、効果のある媒体、つまり、インターネットに切り替えるのは当然の動きでしょう。

広告とは文字通り、広く告げること、つまりテレビ、新聞、雑誌といったマスメディアを通して、一般消費者に一方的に、大量に繰り返し伝えることでした。

消費者側からすれば、知りたい商品に関する情報をマスメディアの広告を通して入手する以外に方法はないという関係が長く続いたわけです。

インターネット・ホームページの普及と検索エンジンの発達によって、従来、マスメディア情報の一方的な受け手であった消費者は、主体的・主導的に自分の知りたい商品や情報の入手が可能になったのです。

しかも、検索エンジン経由の情報入手は、即時・大量・無料という特典に加えて、双方向性・年中無休・24時間営業です。

広告を発注する側、発信する側もこの変化には気づいており、マスメディア広告の限界、費用対効果の悪さには頭を痛めているようです。

インターネット広告・検索エンジン広告が伸びた理由、これからも大きく伸びると予想される理由は何でしょうか。

それは合理的な課金制と即効性のある「結果」が期待できることであり、しかも、その「効果」はリアルタイムで測定できることです。

安い価格(?)で、しかも、合理的な料金支払システム(クリック数での課金制とクリック単価の入札制)による検索エンジンでの上位表示という「広告」の優位性は、今や明らかです。

マスメディアから広告費を取ったら、はたして新聞、テレビ等は生き残れるのかという深刻な問題も一部では提起されています。

チラシ広告というミニメディアも同じ運命であり、「広告効果」は限りなくゼロに近づいてゆくと見るべきでしょう。費用対効果、採算性、反響率という面からみても、チラシ集客の限界ははっきりしており、勝負はついた話です。

地域によって、若干の違いはあるようですが、折込チラシの反響率・問い合わせ率は1万分の1以下(0.01%以下)です。集客の単価は首都圏で7万円、地方都市圏で3万円程度のようです。

新築マンションの場合、折込チラシによる成約単価は1戸あたり50万円〜70万円とされています。200戸の大規模マンションのチラシ広告費は1億円〜1億4千万円になるわけです。

新築マンション不況が続く現在のことでいえば、販売期間が3年〜4年と延びていますので、1戸あたりの広告費は100万円程度になっていると考えられます。

これに対し、ネットによる集客単価は、力を入れ、ノウハウを蓄積している会社では、1万円前後のようです。

ちなみに、当社の場合、09年1月から今年の3月までに73,411人のアクセスに対して、電話による問い合わせ、希望条件登録、特定物件の問い合わせ、来店、メールによる問い合わせの合計は1,142件、反響率は1.55%でした。

売買・賃貸を合計した数字ですが、反響率・問い合わせ率は悪くない方だと思っています。問い合わせ1件当たりの単価はホームページ運営経費の計上のしかたにもよりますが、5,000円程とみています。

幸いなことに、不動産仲介業のホームページは「有料ネット広告」に頼らなくても、自社努力で検索エンジンの上位表示は、十分に可能です。検索エンジン上位表示の「無料広告効果」は予測を超えるものです。

ここで改めて、ネット広告・ネット広報・ネット店舗(ホームページ)のメリット、優位性について確かめておきましょう。言うまでもないことですが、情報の受け手、お客さまにとってのメリット、優位性です。

○ 物件情報の即時性(鮮度)
○ 問い合わせの匿名性(自由度)
○ 相場感獲得の容易性
○ 情報伝達の双方向性
○ 時間の自由性と節約性
○ 店舗訪問の不要性
○ 情報の悉皆性
○ 会社情報の入手可能性
○ 業界情報の入手可能性
○ 取引知識の入手可能性

ホームページ集客・ネット集客に対しては根強い悲観論があることも事実です。以下に、その主なものを記します。

○ 地域内に50社も100社ものホームページが乱立し、競争は厳しく、とても採算が合わないし、将来性もない。
○ 競争に勝ち、検索エンジンで上位となるためには広告費やSEO対策費が多額となる。
○ ホームページの維持・運営費も多額であり、スタッフの確保も容易ではない。
○ 売り主側業者(物担)による情報の囲い込みも強まっており、自社物件中心の品揃え(物件情報の提供)になりがちで、お客さまへのアピール力、インパクト感が不足する。
○ 情報量では、不動産ジャパンには勝てるはずがない。レインズが一般公開されれば、買い主側の仲介業者は存立基盤を失ってしまう。
○ 大手ポータルサイトの資金力、ノウハウ、情報量には対抗できない。

いずれの論も、一見もっともに思えますが、それではどうすれば良いのか、どうすれば競争に勝ち、生き残れるのかという打開策や展望を示すものはありません。ネット不動産を否定して、勝ち残り策が見い出せないのも、また、厳しい現実なのです。

厳しい時代の勝ち残り策、打開策を手探りで見つけ出し、パイオニアとしての役割を引き受けるぐらいの覚悟が求められているのではないでしょうか。

フロンティアノートを書き進めるにあたり、各社のホームページをじっくり見させてもらっています。

そこでまず気がついたことは、売買でも賃貸でも掲載されている物件数が少ないホームページが大部分だということです。

自社物件(売り主から専任で売却依頼を受けた物件)を中心にして、付き合いのある数社の「他社物件」を載せただけのホームページを訪れたお客さまは満足するでしょうか。

仲介業者の立場からすれば、自社物件と他社物件は大違いです。特に両手数料をビジネスの中心にした会社にとっては、自社物件は「宝物」です。レインズへの登録義務は後回しにして、見込客や来店客に対して「強引」に自社物件を勧め、情報の囲い込みをしたくなる気持ちはよく分かります。

しかし、お客さまの立場からすれば、業者にとっての自社物件や他社物件の違いは関係のないことです。要は、ホームページ上で多くの物件情報を収集できるか否かが第一です。

売り主にとっても、情報の囲い込みは迷惑な話です。なるべく高く、しかも速く売却するという売り主の利益は、情報を囲い込んで、他社のホームページを訪れたお客さまや他社の見込客への情報伝達を遮断してしまうからです。

こんな姿勢の会社のホームページが、結果として、物件掲載数が少なくなるのではないでしょうか。

自社以外の会社が売り主から売却依頼を受けた「他社物件」の情報は欲しい。しかし、自社の物件情報は他社には出したくない。こんな「自己矛盾」が結果として、他社物件のホームページ上の掲載数を減らしていると見るのは「下司のかんぐり」でしょうか。

ネット不動産は、このような矛盾、現実を打開し、物件情報の全面公開の先駆者となることで、前途を拓くことができるのではないでしょうか。

結論・結果を決めるのはお客さまです。お客さまの立場に立つ、お客さまの利益をまっ先に考える、お客さまの最も身近にいる、この基本に立ちかえって考えれば、迷いは消えるのではないでしょうか。



ページ上部へ戻る


フロンティアへ

 テーマ 一覧

・記事を追加した時にお知らせメールを希望する方はこちらへメールをお送りください。Takakanへメール
・ご意見・ご感想もお待ちしております。
・当ページの文章の引用・転載はご自由にどうぞ。

関連ページ