ブログの①~⑤で中古住宅購入のメリットを並べ立てたので、デメリットについても記さなければ「公平さに欠ける」「片手落ち」と考える方もいるかもしれません。
そこで、あえてデメリットと思われる事項をあげてみました。
中古住宅の場合、特に空き家になってかなりの年月が経過している場合は、外観からは分らない、見えない構造部分に「不安」が残りがちです。
白アリ、水廻り、床下の基礎部分など気をつけて点検しなければ不安が残るのはあたりまえです。
台所・トイレ・浴室などの水廻りは特に気になる場所です。その対策として、ここ数年、国土交通省が主導して、ホーム・インスペクション(住宅性能検査)の普及に力を注いできました。
米国では中古住宅の取引に際して80%程度利用されているといわれるホーム・インスペクションは、我が国でも急速に普及とみられていたのですが、2018年の実績では普及率は1%台です。
その理由としては、売主としては「隠された真実」の発掘を避けたいという心理が強くはたらく傾向が強く、買主としては余分な費用(検査費用約5万円の負担)を支払いたくないという意向がはたらくようです。
加えて、仲介業者としては、余計な手間をかけたくないというのが実態でしょうか。
これからの、人口減少・空き家増加の時代にあって、「住宅瑕疵担保責任保険」とセットになったホーム・インスペクション制度の普及は「必然」と考えられていますが、思ったほど普及していないのが実情です。
この点からも、当面は、買主の立場に立ったプロの仲介業者選びが大切であることが理解できます。
中古マンション購入のデメリット・リスクはどうでしょうか。
どこのマンションでも、必ず管理組合があることになっています。主として共用部分の大規模修繕に備えて「修繕積立金」が毎月積立てられているはずです。
ところが、この修繕積立金が「決定的に少ない」ケースも少なくありません。10年~20年に一度の外壁の補修や排水管の修理等に必要な費用が不充分で、区分所有者に多額の負担が臨時的必要となる場合です。
これなども、実績のある、信頼できる仲介業者が間に入れば、事前に分ることです。
中古住宅購入の場合、金利の低い住宅ローンが通りにくくなるというデメリットがあります。
木造住宅で築後20年、マンション等で築後25年以上を経過した物件は、住宅ローンの原則適用除外となっています。さらに、所得税納付時の「住宅ローン控除」の適用年数も、同じく不利な扱いとなります。
以上、現時点で考えられるデメリットをあげてみました。参考になったでしょうか。